「私が14歳の時、キリスト教伝道者が教会に来ました。彼は、人が死んだらどこに行くかを知っている人はいますかと聴衆に問いかけました。私は死んだらどこにいくのか、わかりませんでした。彼が招きをすると、私はそれに応答し、教会の前方に行って、イエス様を信じる決心をしました。この決心さえすれば、もうクリスチャンとしての義務は全て果たし終えたと思っていました。しかし、それは間違いでした。」これは、マークという男性が話した言葉です。彼のストーリーの詳細を、今回述べていきます。
今回は「なぜ多くの男性がクリスチャンとして失敗するのか」というテーマで書いていきます。なぜ多くのクリスチャン男性が、イエス様との関係で失敗してしまうのでしょうか。
マークは10代になり、毎週の教会の礼拝に出て、聖書を学び、模範的とも言えるクリスチャン生活を送っていました。やがて彼は結婚し、子供も生まれて、より真剣に自分の信仰と向き合うようになりました。マークは自分の家族の主人としての意識を持って、聖書を学び人々とお祈りすることに時間を捧げていました。
その一方で、収入が良いけれども長時間労働の新しい仕事のオファーを受け、彼の生業としての仕事が繁盛していきました。彼の優先順位は変わり、聖書を読んでお祈りして神様と時間を過ごす毎朝のクワイエット・タイムが疎かになりはじめました。そして、自分の仕事を神様と家族よりも優先するようになりました。この優先順位の狂いが、女性の同僚との不倫関係など、浅はかな選択をする生き方へと陥らせました。
マークは仮名ですが、彼が経験したことは実際にあったことです。彼のように失脚したケースは珍しくありません。霊的腐敗と究極のモラルの欠如は、神様を人生の第一とするのをやめた多くの男性たちに起こりえます。このようなことがあなたに起こってほしくはありません。
全てのクリスチャン男性はあらゆるプレッシャーに直面します。あなたがどのような人であっても、どこに住んでいても、罪が近くにあり、あなたを誘惑し、神様が望まれる生き方からあなたを引き離そうとします。
クリスチャン男性が失敗するのは、自分の思いと行いと言葉において、イエス様を最優先しないからです。新約聖書のペテロの手紙第一、第5章8節に、私たちへの警告が書かれています。「あなたがたの敵である悪魔が、吼えたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています。」
それゆえに、「クワイエット・タイム」の習慣を確立することが重要なのです。クワイエット・タイムとは、聖書を読んで、神の言葉を調べ、黙想し、暗記し、祈って神様と時間を過ごす日課のことです。クワイエット・タイムを習慣的に持つことをしなければ、霊的な健全さを保つのに必要な要素が欠けた状態となってしまいます。
ストレスへの対処、人生の危機の直面、人間関係の問題が表面化した時への対応を適切にできるかどうかというのは、クワイエット・タイムを持っているかどうかと関係してきます。
多くの男性が神様とのクワイエット・タイムを持つのに失敗していることに対する理由として、主に3つ考えられます。
第一に、クワイエット・タイムについて指導されたことがないということです。多くの男性はクワイエット・タイムを持つための必要なスキルを一度も教えられたことがありません。神の言葉である聖書を読むことも、自分の思いを書き留めることも、自問することも、聖句の暗唱も教えられていません。
第二に、霊的戦いです。サタン、つまり悪魔は男性が神様と時間を過ごすことを妨げようとしてきますが、多くの男性はこの戦いに日々晒されていることを自覚していません。クワイエット・タイムの規律ある習慣を身につけることには努力と献身を要しますが、神様に近づくためにはどうしても必要な習慣になります。
第三に、説明責任の欠如です。クワイエット・タイムの実践の有無について説明責任を持たせる協力的な同性の仲間がいなければ、霊的一貫性を保つことに苦労するようになります。
イエス様は、ご自分にあって成長できる関係を持つために必要なことが何かについて、弟子たちに話されました。新約聖書のヨハネによる福音書、第15章5節で、イエス様は次のように言われました。「わたしはぶどうの木、あなたがたは枝です。人がわたしにとどまり、わたしもその人にとどまっているなら、その人は多くの実を結びます。わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないのです。」
イエス様は「わたしにとどまりなさい。わたしもあなたがたの中にとどまります」と言われましたが、これは双方向の関係のことをいっています。この関係は大変重要です。なぜなら、枝が自分だけでは実を結ぶことができないのと同じように、私たちもイエス様につながり続けていなければ霊的な実を結ぶことはできないからです。イエス様は、私たちの霊的いのちと力の源であられます。
いかがでしょうか?神様の前で過ごす時間、神のことばに親しむ時間、イエス様にあって祈りに勤しむ時間は、私たちにとっていのちの糧となります。私たちがイエス様とつながり続ければ、この関係が結ばれ練られ成長していく過程を経験するようになります。私たちのうちに住まれる聖霊が、私たちを内側から変えてくださいます。
私たちは、他の男性たちと集まって、私たちのコミットメントを固く保ち続けたいと思います。これらのことを行えば、私たちは霊的成長を経験し、実を結び、神様に栄光を帰し、イエス様に従う者としての召しを全うできるのです。真の弟子となるのです。
神様と一緒に過ごす時間、「クワイエット・タイム」を毎日実践しましょう。聖書を読み、神のことばを調べ、黙想し、暗唱できるようになり、祈りの時間を持ちましょう。これが霊的に強くなるための最善の方法です。